神在月、神々の月

神在月、神々の月

現在の日本では西洋と同じカレンダーを使用していますが、19世紀中頃までは旧暦を使用しており、現在のような数字の月名(1月、2月、3月など)ではなく、それぞれの月にはもっと複雑な名前が付けられていました。暦の最初の月は「睦月(むつき)」、2月は「如月(きさらぎ)」、3月は「弥生(やよい)」といった具合です。そして旧暦の10番目の月には非常に興味深い名前が付けられています。「神無月(かんなづき)」、神々の月です。

これが島根と関係あるのはなぜでしょうか。宍道湖地域では、同じ月が「神在月(かみありづき)」、神々の月と呼ばれています。要するに、旧暦の10番目の月には、全国中の無数の神々(総称して八百万の神々と呼ばれます)がそれぞれの地域を離れ、出雲市の出雲大社に集まり、この期間中に出雲大社で特別な祭りと儀式が行われます。

全ては「神迎祭(かみむかえさい)」から始まります。これは神々を出雲に迎える儀式で、夕陽が沈んだ後、伊那佐の浜(国比企の伝説に登場する園の長浜の一部)のビーチで行われます。たいまつが灯され、短い儀式の後、神社の神官が浜から神々を特別な神社に案内し、出雲大社の敷地内に一時的に祀ります。この行列は、白い布に囲まれており、直接の視界は大社の神官によって遮られています。神々が出雲大社にいる間、彼らは来る年の全ての人々の運命を決定するために会議を開き、人々は全国からやって来て、さまざまな関係において幸運を祈ります。神々はまた、地元の酒造業者が供える酒を楽しむ宴も開くと言われています。最後に、別の特別な儀式で見送られ、「刈田瀬祭(からさでさい)」の後、神々は全て元の場所に戻ります。

神在月は旧暦に基づいているため、開催される日程は年によって異なりますが、通常は11月に行われます。この時期には通常の儀式に加えて、出雲大社で他の特別なイベントも開催されることが多いため、神社を訪れるには理想的な時期です。

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出雲大社に関連する場所への訪問

出雲大社は、島根半島の西端、出雲市の大社地区に位置しています。日本最大と言われている大きな神社の門が、出雲大社への主要道路を見下ろし、訪問者を迎えています。出雲大社は、車、バス、電車で簡単にアクセスでき、週末を中心に神社周辺は観光客や参拝者で賑わっています。

神社境内の前を通る道路を進むとすぐに、稲佐の浜海岸に到着します。この海岸は國引き伝説で大きな役割を果たす園の長浜の一部であり、武甕槌が大国主に出雲の国を天照大神に渡すよう要求し、武御名方が力比べを挑んだ場所でもあります。また、毎年神迎祭で日本全国から神々が出雲大社に迎え入れられ、神迎道路と呼ばれる町を通ったルートで出雲大社から海岸への行列が行われます。