冥府へ(黄泉の国)そして帰還 Part 2

冥府へ(黄泉の国)そして帰還 Part 2

イザナギは全力で駆け出したが、次第に追いつかれそうになったため、後ろに髪留めを投げ落とした。すると、その場所にはブドウの実をつけた野生の葡萄の蔓が伸びていた。老婆たちはそのブドウを食べずにはいられず、イザナギは逃げ続けた。しかし、老婆たちは予想以上に早く食べ終え、再び彼に追いつきそうになった。そこで、イザナギは髪飾りの歯をもう一つ折り、地面に投げた。そこには竹の子が出てきて、再び老婆たちはそれを掘り起こして食べるのに夢中になった。イザナギは再び逃げ続けた。

次にイザナミは雷神と冥界の霊の軍団に、イザナギを追い詰めるよう命じた。彼らが近づいてくると、イザナギは剣を鞘から抜き、後ろに振り回しながら走り続けた。しかし、それでも追いつかれそうになった。だが、黄泉比良坂の入口が視界に入った。その土台には桃の木が生えていた。イザナギはその木から3つの桃を摘み、冥界の軍団に向かって投げつけ、彼らを深い冥界へと追い返した。

しかし、イザナミ自身がイザナギを追いかけてきた。そこで彼は巨大な岩を転がし、これを黄泉の国の入口に置いた。これにより、黄泉の国とこの世は永遠に分かたれることとなった。岩の反対側に立つイザナミとイザナギは、最後の別れを告げた。

まずイザナミが言った。「イザナギ、あなたが私に恥をかかせたことに対して、私はあなたが愛するこの世界の人間を毎日1000人殺します。」イザナギはこう答えた。「そうするなら、私は毎日1500人を生み出します。」そして、二人はそれ以降、顔を合わせることはなかった。

イザナミとの別れを経て、イザナギは自身を浄化するために入浴した。この浄化の儀式中に多くの神々が生まれたが、特に重要なのは、彼が入浴を終えたときに生まれた三神だった。左目を洗ったときに太陽の女神アマテラスが生まれ、右目を洗ったときに月の神ツクヨミが生まれた。彼が鼻を洗ったときに、神スサノオが生まれた。イザナギは彼の子供たちを喜び、それぞれに統治する領域を与えた。アマテラスには高天原、ツクヨミには夜、スサノオには海を与えた。アマテラスとツクヨミはそれぞれの領域を幸せに支配していたが、スサノオはそうはしなかった。彼は反抗し、高天原の他の神々に対して反乱を起こした。その様子がひどくなったため、彼は高天原から追い出され、地上に追放された。

この話は八岐の大蛇の伝説で続く。

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黄泉の国神話の舞台となった場所を訪れる

黄泉比良坂、すなわち冥界の入り口は、松江の祖谷地区にあると言われており、国道9号からすぐのところにあります。明るい日でも陰鬱な雰囲気が漂う静かで人里離れた場所で、現世と来世の境界と言われる場所にふさわしい雰囲気があります。その周囲にはいくつかの大きな岩があり、どの岩が入り口を塞いだものかを想像すると神秘的な気分になります。また、この地区の近くには祖谷神社があり、その神社近くの坂が冥界への入り口に続く坂道だと言われています。

伊邪那美の墓は日羽山の頂上にあるとされていますが、その名を持つ山はいくつかあります。しかし、安来市の白田地区にある日羽山が実際の場所である可能性が高いとされています。この地は、出雲の地である東部島根と伯耆の地である西部鳥取の境界に位置しています。また、山の麓にある久米神社には伊邪那美が祀られています。